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KANMACHI Hoop Park

公園型バスケットボールコート「KANMACHI Hoop Park」が生まれるまで

鹿児島市下竜尾町、国道10号線沿い。桜島を望むこの場所に、青いコートと鮮やかな緑が映える一角が誕生しました。その名は「KANMACHI Hoop Park(カンマチフーパー)」。
この場所は、単なるスポーツ施設ではありません。内村建設が創業70周年を経て、これからの「まちづくり」に対して提示する、ひとつの答えでもあります。

駐車場計画から始まった「まちのハート」への転換

2024年の夏、私たちは本社近隣に約200坪の土地を取得しました。周辺は駐車スペースが限られており、自社用としての利用はもちろん、月極駐車場としての賃貸ニーズも非常に高いエリアです。当初の計画では、敷地全面を駐車場として活用する予定でした。
しかし、社内である問いが生まれました。

「建築の会社として、街に何を残すのか」

私たちのビジョンのひとつに「まちのハート」という言葉があります。
街には、人が自然と集い、挑戦し、育っていく心臓のような場所が必要ではないか。そう考えたとき、この土地をただの駐車場にしてしまうのではなく、地域のにぎわいや交流を生む「場」にひらこうという選択肢が浮かび上がりました。
結果として、敷地の半分を月極駐車場とし、残りの半分をバスケットボールのハーフコートとして整備する「公園型コート」の計画がスタートしたのです。

鹿児島の子どもたちに、思いきりボールを追える環境を

背景には、鹿児島のスポーツ環境への課題感もありました。鹿児島は平地が少なく、自由に球技を練習できる環境が決して多くありません。特にバスケットボールは、騒音や安全面の問題から公園でも「禁止」されることが多く、子どもたちが遠慮せず汗を流せる場所が不足しています。
一方で、プロバスケットボールBリーグの人気は全国的に高まり、地元の「鹿児島レブナイズ」の活躍にも熱い視線が注がれています。
「地域の子どもたちや、プロを目指すプレーヤーたちが、この上町の地から世界へ羽ばたいてくれたら」。
そんな願いを込めた、ささやかな「まちの公園」計画が、内村建設の手によって動き出しました。

街の奥へと誘う、デザインの力

敷地は、道路から奥まった「旗竿地」のような形状をしています。一見すると入りにくいこの場所を、いかに「誰もが気軽に立ち寄れる場所」にするか。そこには建設会社ならではの知恵と工夫を凝らしました。

1. 景観を彩るドライ系植栽とグラスの対比

公園らしい柔らかさと、ストリートバスケットボールの持つスタイリッシュさを両立させるため、植栽には徹底的にこだわりました。ボリューム感のあるグラス類に加え、サボテンやユッカ、オージープランツなどのドライ系植物を贅沢に配置。シルバーのメタルフェンスとの組み合わせが、景観にリズムと奥行きを与えています。

2. 遊び心を添えたアプローチ設計

「入っていいのかな?」という心理的な壁を取り払うため、国道沿いの歩道からコートへと直感的に導く、アスファルトのアプローチを描きました。アプローチの周囲には、バスケットボールをイメージした丸いモチーフをあしらっています。この遊び心のあるデザインが、街とコートを有機的につなぐ役割を果たしています。

3. 安全と心地よさを支える技術

コートには、カラフルで鮮やかなゴムチップ舗装を採用しました。これにより、激しいプレーによる身体への負荷を軽減し、万が一の転倒時にも怪我を防ぐ安全性を確保しています。また、建設資材である「単管パイプ」や「鋼製型枠」を活用した什器など、建設会社としてのアイデンティティもデザインの一部として溶け込んでいます。

4. 場に愛着を生むロゴデザイン

KANMACHI Hoop Parkのシンボルとなるロゴを手掛けたのは、鹿児島を拠点に国内外で活躍するイラストレーター、OKATAOKA(オカタオカ)氏です。
ロゴの中央でボールを抱える愛らしい犬のキャラクターは、パークを訪れるすべての人を歓迎する友好的なアイコンです。背後に描かれたシンボルツリーやサボテンは、実際にパーク内に贅沢に配置された植栽たちをモチーフにしています 。
OKATAOKA氏特有の、フレンドリーで都会的なイラストが自由でオープンな空気感を表現してくれています。

クリエイター紹介

OKATAOKA(オカタオカ)

1986年 宮崎生まれ、鹿児島育ち。桑沢デザイン研究所卒業。雑誌や書籍、アパレル、広告などのイラストレーションを手掛けるほか、国内外で精力的に個展を開催。

所有する場所から、育てていく場所へ

KANMACHI Hoop Parkは、民間企業である内村建設が運営するコートですが、私たちはここを「所有する場所」ではなく、地域の皆さんとともに「育てていく場所」だと考えています。
特別なイベントの日だけでなく、日常の散歩の足音や談笑が心地よく響く、街の自由な「余白」であること。
ここで過ごす時間が、子どもたちの未来、そして地域の健康とふるさとへの愛を育むきっかけになることを願っています。
シルバーのフェンス、青みがかった緑、そして子どもたちの歓声。
国道10号線沿いに新しく刻まれる、健やかで豊かな風景を、ぜひ一度ご覧になってください。

Every player. Every child. All for the future.